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北海道支部について

特別講演会のお知らせ【2019.11.18 野口洋文 先生】(2019.11.17更新)

演題

膵島移植・再生医療の現状と展望

演者

野口洋文先生

所属

琉球大学大学院医学研究科 再生医学講座 教授

日時

2019年11 月18日(月)18時〜

場所

北海道大学大学院保健科学研究院 6F大会議室

共催

日本生化学会北海道支部

概要

現在、糖尿病に対する移植療法として、膵臓移植と膵島移植がある。膵島移植は、局所麻酔下にて膵臓から分離した膵島を経門脈的に注入するため、膵臓移植に比べ低侵襲である。
現在までに欧米で1000例以上の移植報告がなされており、日本でも2004年より臨床膵島移植が開始されている。2011年のCollaborative Islet Transplant Registryの報告によると、欧米での膵島移植の5年インスリン離脱率は50%と膵臓単独移植の成績とほぼ同じであり、5年生存率は98%と臓器移植の成績を上回っている。
しかしながら、この成績は複数回移植により達成されており、膵臓移植よりもドナーを多く必要とする点が問題として挙げられる。
発表者の野口はハーバード大学で膵島分離技術を習得したのち、京都大学所属時に膵島移植グループの主要メンバーの一人として、2004年に日本初となる心停止ドナーからの膵島移植を実施し、翌2005年には世界初となる生体膵島移植にも成功、さらに、2013年、日本初となる脳死ドナーからの膵島移植を京都大学のメンバーとともに実施した。
発表者は日本で最も多くの臨床膵島移植を実施しており、特に過去5年間においては全膵島移植の約85%を実施している。
しかしながら、本邦ではドナー数が圧倒的に少なく、脳死ドナー数をどのようにして増やすかが膵島移植の成功へのカギとなる。
脳死ドナー不足の解消には時間がかかる現状を考慮し、別の治療法を模索する動きも活発化している。特に、再生医療研究が世界中で活発に行われているが、インスリン分泌細胞へ
の分化誘導法が確立されておらず、いまだ研究段階であるのが現状である。本セミナーでは膵島移植の現状と問題点を示すとともに、最先端の糖尿病治療研究について紹介する。

連絡先

北海道大学 医学部/大学院保健科学研究院
     生体応答制御医学分野 教授
              健康イノベーションセンター 生体分子・機能イメージング部門 教授
     尾崎 倫孝
     TEL:011-706-3337

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