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特別講演会延期のお知らせ【藤永考先生】(2022.08.01更新)

藤永先生の来日が9月下旬に変更されたことにより、本講演会は延期させていただきます。新たな日程は、後日お知らせ致します。ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願い致します。

 

UCSF医学部の藤永考先生による講演会を企画いたしました。藤永先生は、近年注目されている “転写伸長段階の分子制御機構” の研究を長年にわたって続けられて、多くのユニークな発見をされています。先生の最新の研究について、興味深いお話が伺えるものと思います。多数のご参加をお待ちしております。

演題

遺伝子発現のオン・オフスイッチを担う転写伸長因子P-TEFb

演者

藤永 考 准教授

所属

Department of Medicine, University of California, San Francisco, USA

日時

2022年9月下旬以降

場所

 

 

主催

生命分子化学セミナー

共催

日本生化学会北海道支部

概要

細胞遺伝子の発現は、 外的刺激、環境要因などに対応して、いわゆるセントラルドグマ(DNA➡️RNA➡️タンパク質)の各段階で、正確に制御されているが、その中でも、mRNA転写(転写)は中核的な役割を担っている。転写は、各遺伝子のプロモータと呼ばれる上流DNA領域にRNAポリメラーゼII(RNAPII)を含む転写複合体が形成されて開始される。その後段階的に、RNA キャッピング、転写伸長、スプライシングなどのmRNAプロセッシング反応、ポリアデニレーションなどを経て、成熟mRNAが核外に運搬され完結する。

 最近のゲノムワイド解析の発展は、「転写の律速段階は、今までに考えられていたような転写開始段階ではなく、転写伸長段階である」という大きなパラダイムシフトをもたらした。すなわち、ほとんどの遺伝子のプロモータには転写複合体がすでに誘導されているが、RNAPIIは転写開始後すぐに「一時停止」しており、その状態から転写伸長が始まる、いわゆる"RNAPII pause-release制御"が転写の最終的なオン・オフを決定していると考えられるようになった。そして、このRNAPII pause-releaseを正に制御しているのが、今回のセミナーのトピックであるP-TEFb (ポジティブ転写伸長因子b)である。

 P-TEFbは、もともとはヒト免疫不全ウイルス(HIV)転写に必要な細胞側因子として同定され注目を集めていた。その後、心臓肥大、リウマチを始めとした自己免疫疾患やガン(特に、多発性骨髄腫、白血病、乳がんなど)、ガン患者や慢性ウイルス感染者に頻繁に見られるT細胞非応答において、P-TEFb機能が異常に制御されていることがわかり、P-TEFb研究はますます重要になってきている。私の研究もそれに伴い、HIV転写研究を軸にし、P-TEFbの細胞増殖・分化への関与、T細胞の異常制御(自己免疫、アネルギー, T 細胞非応答)などにおけるP-TEFbの役割、HIV以外の潜伏性ウイルス転写のP-TEFb依存性、などの方向に研究の幅を広めつつある。今回のセミナーでは、P-TEFbの細胞内制御に関する私たちの最近の研究を中心に、現在までの知見とこれからの展望について述べる。

連絡先

北海道大学大学院理学研究院化学部門生物有機化学研究室

村上洋太 (電話:011-706-3813)

高橋正行 (電話:011-706-3814)

 

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