特別講演会のお知らせ【2025年10月31日 永森收志先生】(2025.10.06更新)
東京慈恵会医科大学 永森收志教授による講演会を企画致しました。
永森教授は、生化学、質量分析、構造解析等を駆使し、メカニズムに立脚したアミノ酸トランスポーターの解析、これをターゲットとした創薬という点で、多くの顕著な業績を挙げておられます。今回は「膜輸送体が支える生命システムの恒常性とその破綻」というタイトルでご講演頂きます。多数のご参加をお待ちしております。
| 演題 | 膜輸送体が支える生命システムの恒常性とその破綻 |
|---|---|
| 演者 | 永森 收志 教授 |
| 所属 | 東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター Systemic Intelligence生命医科学研究センター |
| 日時 | 2025年10月31日(金)16:30-18:00 |
| 主催 | 北海道大学大学院総合化学院 |
| 共催 | 日本生化学会北海道支部 |
| 概要 | 生命は、物質輸送を司る膜輸送体が脂質二重膜を隔てて作り出す分子の不均衡分布により支えられている。トランスポーター・チャネル・ポンプは、こうした勾配を形成し、生命システムの恒常性を維持する役割を果たす。このうち、SLC(solute carrier)トランスポーターは500種類ほど存在し、生命を支える複雑な輸送ネットワークを構成している。しかし、その多くの生理機能は未解明のままであり、病態との関連も十分に解明されていない。我々は、分子から細胞、組織・臓器、個体といった様々な階層を対象に、分子の機能・構造解析からマルチオミクスまで多様な手法を駆使して解析し、トランスポーターの基質を軸として階層間をつなぐことで、トランスポーターの生理機能や疾患における役割を明らかにすることを目指してきた。本講演では、この多階層的アプローチにより得られた具体的な成果として、腎機能の新規バイオマーカーD-セリンの輸送システム同定と遺伝性疾患シスチン尿症の分子病態解析を中心に紹介し、膜輸送体研究が基礎生命科学から疾患理解、臨床応用にまで広がる可能性を議論したい。 |
| 連絡先 | 阿部一啓 北海道大学大学院理学研究院化学部門分子生命化学研究室 札幌市北区北10条西8丁目 TEL:011-706-3505 e-mail:kabe@sci.hokudai.ac.jp |
