講演会のお知らせ【2017.1.23 里 直行 先生】(2017.01.12更新)
演題 | 糖尿病および加齢による認知症促進機構の解明 |
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演者 | 里 直行 先生 |
所属 |
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター・認知症先進医療開発センター・分子基盤研究部・部長
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日時 | 2017年1月23日(月)17:00から |
場所 | 北海道大学遺伝子病制御研究所分子神経免疫学教室 |
主催 |
北海道大学遺伝子病制御研究所大学院医学研究科分子神経免疫学分野
教授 村上正晃
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共催 | 日本生化学会・北海道支部 |
概要 |
糖尿病が認知症の危険因子であることが疫学的研究により支持されている。しかし、どのような機序で糖尿病が危険因子となっているのかは十分には明らかでない。臨床画像・症状からも単純に血管性認知症あるいはアルツハイマー病のどちらかを促進するのではないであろうと考えられる。久山町研究によりインスリン抵抗性があると神経変性突起を伴う老人斑の形成が惹起されることが示唆されている。また我々の糖尿病とアルツハイマー病のかけ合せマウスの結果および剖検脳を用いた研究から、糖尿病はβアミロイドの存在下に神経原線維変化の本態であるタウのリン酸化および神経変性を亢進させることが示唆され、その分子機序の解明を行っている。その結果、糖尿病と認知症に関連して変動する分子群が明らかになりつつある。現在はその分子の病態への関与の解析をin vivoおよびin vitroにおいて行っている。また糖尿病合併アルツハイマー病モデルにおいて、糖尿病からアルツハイマー病への病態修飾のみならず、逆にアルツハイマー病が糖尿病の病態を悪化させることをも我々は見出しており、さらなる解析を進めている。将来的にはβアミロイドをターゲットにした先制医療や運動による認知症予防に加えて、糖尿病が認知症を促進する鍵分子の解明に基づく次世代のアルツハイマー病治療法の確立に貢献したい。また本セミナーではアルツハイマー病の最大の危険因子である加齢による認知症促進機構の解明についても紹介する。
本セミナーはセミクローズドで行いますので、参加希望の方は分子神経免疫学秘書 福本(fukumoto@igm.hokudai.ac.jp)までご一報ください。
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連絡先 |
北海道大学遺伝子病制御研究所分子神経免疫学分野
教授 村上正晃
札幌市北区北15条西7丁目
電話:011-706-5120
Email: murakami@igm.hokudai.ac.jp
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関連資料
2017.1.23-Dr.Sato_poster.pdf(73KB)