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北海道支部について

特別講演会のお知らせ【2019.2.20 谷 智己 先生】(2019.02.13更新)

演題

「生体分子の並び模様をみる  -蛍光偏光からみる生細胞内超分子システムのダイナミクス- 」

演者

谷 智己 先生

所属

ウッズホール海洋生物学研究所(Marine Biological Laboratory)・Associate Scientist

日時

2019年2月20日(水)17:30-18:30(予定)

場所

北海道大学大学院医学研究中研究棟5階 共通セミナー室 5-1

(札幌市北区北15条西7丁目  https://www.med.hokudai.ac.jp/access.html

概要

「染色体や細胞膜、細胞骨格の構築や、情報伝達に関わるタンパク質などは、細胞の刺激応答や細胞周期に応じて、またたく間に空間的なまとまりをもった分子集合体を形成し、やがて解消する。このようなダイナミクスは、細胞内分子システムの“生き物らしさ”を強く感じさせる現象である。ある分子集合が空間的に整然とした秩序を持つもの(assembly)なのか、あるいは雑然としたもの(cluster)なのかを判別し、その秩序(molecular order)の度合を定量的に解析することは、生体分子の機能制御を理解する上で非常に大事である。この10年間における光学顕微鏡技術、とりわけ超解像顕微鏡技術の進展はめざましい。しかしながら、分子集合体における個々の分子の向きや分子配向の秩序を1分子単位で、生きた細胞内で観察するアプローチはこれまでになかった。
蛍光が持つ偏光成分は、現在の蛍光顕微鏡法では看過されがちな情報である。しかしこの蛍光偏光の方向をうまく検出することで、蛍光標識した生体分子の3次元の向きを1分子単位で可視化することができる。我々は最近、蛍光標識された生体分子の蛍光偏光を観察することで、その向きや並び方を、生きた細胞内で、1分子単位で観察する蛍光偏光顕微鏡を開発した。このセミナーでは、この顕微鏡法について概説したのちに、細胞骨格分子の配向や重合・脱重合動態、膜受容体の配向など、細胞内で分子の向きを観察する応用研究、さらに、将来の研究展望について論じる。」

連絡先

北海道大学大学院医学研究院
細胞生理学教室
大場雄介

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