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北海道支部について

特別講演会のお知らせ【2019.3.14 澤田 泰宏 先生】(2019.02.15更新)

演題

「運動って何だ?」Exercise is Mechanical Stress: 身体へのメカニカルストレスとしての運動の抗炎症作用

演者

澤田泰宏  先生

所属

国立障害者リハビリテーションセンター臨床研究開発部・部長

日時

2019年3月14日(木)17:00ー18:00(予定)

場所

北海道大学大学院歯学研究院 2階 講堂
(札幌市北区北13条西7丁目)https://www.den.hokudai.ac.jp/map/

主催

北海道大学大学院歯学研究院 口腔分子生化学教室

共催

日本生化学会北海道支部

概要

「適度な運動」は、筋骨格系の障害から高血圧・糖尿病/メタボリック症候群といった生活習慣病、さらには認知障害まで、症状・障害の改善に幅広く有効であり、まさに「Exercise is Medicine(運動は万能薬)」と言える。糖代謝異常に対する運動療法では体重減少と独立して糖代謝が改善することや変形性膝関節症に対する大腿四頭筋訓練では筋力が増強する前に疼痛が緩和することは、身体運動の動作自体に個体機能維持・改善作用があることを示す。運動動作は、例外なく身体局所の変形・圧分布変化を生むので、その部の細胞にメカニカルストレスが加わるか、細胞が置かれるメカニカルストレス環境が変化する。本セミナーでは、身体運動の効果は運動動作で生じる細胞へのメカニカルストレスを介している、言い換えれば「Exercise is Mechanical Stress」であることを示そうとしている講演者のグループの研究成果の第一弾を紹介する。
【方法と結果】身体運動欠失すなわち身体不活動の動物モデルとして、ワイヤー固定によるマウス両側後肢不動化を行い、1日に1回、麻酔下に固定を除去し、片側の下腿三頭筋部に30分間周期的圧迫を加えた。不動化による筋萎縮及び炎症反応は周期的圧迫により抑制された。リポゾーム化ビスフォスフォネート剤投与により単球由来のマクロファージを除去したところ、このような局所圧迫の効果は消失した。
【結論】局所的メカニカルストレスによって、身体不活動による筋萎縮及び炎症反応が抑制されること明らかとなった。マッサージ効果を分子・細胞レベルで説明したことになる本研究結果は、「運動とは何か?」という本質的な問いに答えるための端緒となる。
(参考文献)Saitou et al. Local Cyclical Compression Modulates Macrophage Function In Situ and Alleviates Immobilization-Induced Muscle Atrophy. Clin Sci. 2018

連絡先

田村正人
札幌市北区北13条西7丁目 
北海道大学大学院歯学研究院 口腔分子生化学教室
011-706-4231  mtamura@den.hokudai.ac.jp

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